理想の私が死んでいく

適応障害で休職→復帰しました。悩みつつ楽しく生きる雑記ブログ。

【後編】国語教科書に載ってた好きなお話TOP10

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時間が空いてしまいました。

次の日に書くって言ったのに嘘つきました。

 

【中身要約】スイミーは、某巨人漫画とちょっとだけ似てる。

hituzidameiko.hatenablog.com

 

何で書けなかったかっていうと、結構悩んでいて、絞れなかったんですよね。

そして、書き終わってみてびっくりするくらい長くなった。

はたして需要はあるのでしょうか。

 

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前編はハッピーエンド路線が多かったですが、後編はバッドエンド、もしくはメリーバットエンドの作品が多いです。

メリーバットエンドとは、登場人物の一部は幸せになっても、その他の人物が不幸になってしまうエンドのことです。

 

では、長いですが、お付き合いください。

 

4位:ごんぎつね/新美 南吉

 

記憶に残っている人も多いのではないでしょうか。

ごんぎつねは児童文学研究という授業で題材にもしたのですが、どう考えるかいまだに悩みます。

 

ごんぎつねは、「無邪気な悪事」を働きます。

悪いとは思っていますが、そこまで重大なことに発展するとは思っていません。

しかし結果として、他者を傷つけてしまいます。

 

ごんは、隠れて罪滅ぼしをしますが、人間には伝わらずに、罰せられてしまいます。

どう考えても、ごんが生き残るには、罪滅ぼしをしない選択をするしか方法がないと思うのですが、いかがですか。

 

「悪いことをしてはいけない」という教訓にしては、罪を償おうとする場面があるにしてはあまりに重くないですか。

だからと言って、被害を受けた人間が泣き寝入りするのもおかしいですよね。

 

「この作品で作者が何を伝えたかったのか」と問われても、「些細なすれ違いで悲劇は起きてしまう悲しさ」くらいにしか分からないです。

でも、読後のもやもや感が好きなんです。

 

 

3位:舞姫/森鴎外

 

学校で習った時に、女子の間で「豊太郎はクズ」ということが休み時間に言われるまでに衝撃を与えた作品。

 

外国の恋人作って身ごもらせたけど、やっぱ日本帰りたい。

でも、恋人に対する罪悪感もあるから、やっぱり言えないとかウジウジしてる豊太郎は、ホント卑怯ものだな、と思います。

 

豊太郎が寝ている間に、「豊太郎を日本に連れて帰るわ」って、豊太郎の友人の相沢から聞かされた恋人の気持ち考えると、可哀そうすぎる。

 

最後に豊太郎は、世話を焼いてくれた相沢のことすら、恨んでるとか心の中でのたまうので、呆れしかない。

 

相沢が「日本に戻ろう」と言わなければ、豊太郎は日本に帰らなかったかもしれないけど、豊太郎の無責任具合から、3年後くらいには家庭から逃げてたと思うよ。

 

これだけボロクソ言って、なぜ3位なのかというかと、豊太郎は嫌いなんですが、作品は好きなんです。

 

人間のダメな部分を良く描けてるなーって思います。

 

人間の狡さというか、他責にしてしまいたい弱さって、誰にもあると思うんですよね。

豊太郎の心の中の言い訳がましい理由付けが、とてもリアル。

豊太郎の気持ちを色々な角度から考察して、何とか情状酌量の余地はないものかたくさん考えた作品です。

 

まあ最終的には、情状酌量の余地ありませんでした。

豊太郎、サイテー。

 

2位:山月記/中島敦

 

主人公が罪を犯して虎になってしまうというファンタジーたっぷりなお話。

文豪ストレイドッグス』というアニメの主人公のモチーフはここから来ていますね。

 

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このアニメも面白い。近代文学好きには、たまらないネタがちょいちょいある。

 

山月記』原作の主人公は、役人をしていたが自尊心が高く、名声欲しさに退職して詩作にふける。結局、鳴かず飛ばずで再就職して、さらに低い身分で仕事をすることになる発狂して、彷徨っていたらひょんなことで虎になってしまうって感じですね。

この小説の好きなところは、「自分の作品は超スゴイ。まだ世間的評価は無いけどね。自分の周りは全員格下」っていう尊大な気持ちと、虎になっても捨てられない詩への未練が、バカだなと思いながらも、少しだけ共感してしまうのです。

ものを作る時に生じる自尊心と、自分の作品を評価されることへの恐れみたいなのが書かれるなと思います。

 

主人公の気持ちが分かる気がするのです。

好きなものを作って認められたいのに、認められないもどかしさ。

 

私はブログ好きなことをなるべく自由に書こうって方針でやってますが、反応を多少は気にします。

一生懸命書いた記事が、あんまり反応が良くないと凹みますし、ふわっと書いた記事が褒められたりすると、嬉しいですが不思議な気持ちになります。

 

結局、自由に書きながらも、どこかで評価されたいんですよね。

 

私も虎にならないよう注意しないと。

 

 

1位:こころ/夏目漱石

 

人によっては、トラウマらしい作品。

確かに、Kのいなくなるシーンはホラーですね。

私は教科書が配られた段階で、習う前に一気読みした覚えがあります。

 

とにかくKが好きなんです!

口下手でそっけなくて潔癖だけど、恋しちゃうと揺れちゃうところとかキュンキュンしませんか?

 

個人的にお嬢さんは悪女に見えるんですが、清純な女の子なんでしょうか。

Kに思わせぶりな態度もとりつつ、先生にも思わせぶりな態度。

蝶々みたいにひらひらした女性だなと思います。

 

お嬢さんのことで先生がKに一方的にイライラしている感じは、片思いしたことある人なら感じたことあるんじゃないでしょうか。

 

ちなみに好きなシーンは、先生が図書館で調べものをしていて、Kが後からコソコソ話をしてくるところです。その後、お散歩二人でするところも好きですよ。話してる内容は、穏やかじゃないですが。

 

教科書には「先生と遺書」しか載っていませんが、全編通して読むと、純朴な書生さんの視点で、先生に付きまとったり、先生の過去の秘密がチラリズムしたり面白いですよ。

 

1位の理由は、3部構成で見ても、「先生と遺書」だけで見てもサスペンスものっぽく読めるところがスゴイなと思います。

読めば読むほど味が出るというか。

先生も人として褒められないことをしますが、豊太郎と違うところは他人のせいにしていません。

自分の過ちを、自分のものとして受け止めているところが私は好きです。

 

「恋は罪悪ですよ。解っていますか」

 

夏目漱石こんな台詞が書けるとか、本当に痺れる。

このセリフ全部に先生の過去が詰まってる。

でもこのセリフを言われたタイミングでは、書生くんも読者も、この言葉の意味を理解できない。

全部読み終わって、やっとこの言葉の重さを感じることができます。

 

「こころ」は決してハッピーエンドではないです。

でも、読み物として今でも面白いですし、ドキドキハラハラを感じることのできる大好きな作品です。

 

【おまけ:番外編】

少年の日の思い出/ヘルマン・ヘッセ

 

入れたかったけど、順位つけられなかった作品。

「そうか、そうか、つまりきみはそんなやつなんだな。」

主人公の「わたし」は友人のエーミールの珍しい蝶を捕まえたことが妬ましく出来心で盗んでしまう。我に返って謝りにいくが、許してもらえず冷たく軽蔑される。

なかなか残酷で救いの無い話です。

 

ヘッセはこの作品以外にも『車輪の下』が有名で、それも暗くて面白い。簡単に説明すると、希望が0の朝井リョウの『何者』みたいな感じ。「何者」になりたいけどなれないっていうモヤモヤする話。

もうちょっと希望あるのが『デミアン』。決して明るい話ではないけど、少し古めの外国の話が好きなので小物や情景描写にうっとりする。

 

 

長くなりぎましたが、作品への愛は詰め込みました。

 

近代文学は本当に面白いんだよ!

今も昔も人間の根幹はあんまり変わらないんだって思うと、タイムスリップしたみたいで、とってもロマンチック。

ハッピーエンドじゃ物足りない人は、近代文学をおすすめしたい。

 

もっと古くなれば、清少納言枕草子とか生活でのあるあるネタ満載だしね。(「噂話してたら、本人が後ろにいてビビった」とか「女の悪口大会に参加しないと陰口叩かれるからうざい」とか)

 

これとか読んだらとっつきやすくて面白そう。

 

本日もいとをかし!! 枕草子/小迎 裕美子

 

 

もっと話したいけど、今日はこの辺にしよう。

 

 ではでは。